皆さま、明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2019年が皆さまにとって実り多き一年となりますように!

昨年末の締めくくりは、自身初の自主企画によるリサイタルでした。
ボローニャ歌劇場時代の同僚であり、親友マッティア・オリヴィエーリ氏に友情出演をいただき、濃い内容の演奏会を実現出来たと思っています。
まさかこんなに早くオリヴィエーリ氏の来日が実現するとは思っていなかったのですが、既にヨーロッパで若手人気バリトン歌手として主要歌劇場で主役を担っている彼が新国立劇場『ファルスタッフ』にフォード役で出演することがわかった時期と、リサイタルの計画をしていた時期が奇跡的に重なり、彼の快諾を得てのこの度のリサイタルとなりました。

彼とはボローニャ時代、舞台の上でも外でも本当に苦労を共にした仲で、東洋人である私に対しても分け隔て無く、いろいろと面倒をみてくれました。コンクールやオーディションがあれば知らせてくれ、良い先生がいれば紹介をしてくれました。一緒に歌ったカリアリの歌劇場での『カルメン』や『椿姫』、ボローニャ・テアトロ・マンゾーニでの『マタイ受難曲』は忘れられない思い出です。
彼は努力を続け、スペインはバレンシアの劇場でドミンゴ主催のアカデミーに所属しながら才能をどんどん開花させ、2015年にはオペラの殿堂スカラ座で『ラ・ボエーム』のショナール役でデビューを果たしました。このスカラ座の公演だけはどうしても観たくて日本から応援に駆け付けました。といった感じで…彼とは以前も今も、変わらず他愛の無い連絡を取り合う仲です。

リサイタルの伴奏は、同じくボローニャ歌劇場付属オペラ研修所時代の同僚、現在新国立劇場オペラ研修所コレペティトゥアの岩渕慶子さんにお願いしました。

オリヴィエーリ氏の『ファルスタッフ』最終公演が12月15日だった為、それからの打合せや伴奏合わせとなりました。疲労が残っていたであろうにも関わらず、一切手を抜かず練習に励む彼の姿には本当に感動しました。

本場イタリアの第一線で活躍する彼の声を是非、名古屋の学生達と故郷高岡の皆さんに届けたく随分と張り切ったプログラムになりましたが、皆様に喜んでいただけて本当に嬉しく思っております。

また、高岡公演では高岡市民芸術振興事業団や、私の後援会の皆さんに公演前からいろいろとお世話になり本当に感謝申し上げます。オリヴィエーリ氏も熱烈に歓迎いただき、感動していました!後援会の皆様には、公演前には高岡の美味しいお魚でおもてなしいただき、また公演後には打上げを兼ねた後援会の集いを催していただきました。オリヴィエーリ氏が、皆さんから写真を求められている姿も嬉しい瞬間でした。

打上げの席でもお話をさせていただきましたが、私がヨーロッパで得た劇場での経験やキャリアというのは、実は些細なことで、本当に得た大切な宝物は、向こうで得られた同僚や友人だと思っています。今回、親友マッティア・オリヴィエ―リの歌声と人柄を、皆さまに紹介できたのは私にとって大きな大きな喜びでした!

初めてのリサイタル。反省点も多いですが、新年への肥やしとなるポジティブな経験となりました。2019年も精進して参ります。皆様、引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。