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お知らせ

森雅史 バス・リサイタル 名古屋公演12月18日高 岡公演12月22日

皆さま、明けましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2019年が皆さまにとって実り多き一年となりますように!

昨年末の締めくくりは、自身初の自主企画によるリサイタルでした。
ボローニャ歌劇場時代の同僚であり、親友マッティア・オリヴィエーリ氏に友情出演をいただき、濃い内容の演奏会を実現出来たと思っています。
まさかこんなに早くオリヴィエーリ氏の来日が実現するとは思っていなかったのですが、既にヨーロッパで若手人気バリトン歌手として主要歌劇場で主役を担っている彼が新国立劇場『ファルスタッフ』にフォード役で出演することがわかった時期と、リサイタルの計画をしていた時期が奇跡的に重なり、彼の快諾を得てのこの度のリサイタルとなりました。

彼とはボローニャ時代、舞台の上でも外でも本当に苦労を共にした仲で、東洋人である私に対しても分け隔て無く、いろいろと面倒をみてくれました。コンクールやオーディションがあれば知らせてくれ、良い先生がいれば紹介をしてくれました。一緒に歌ったカリアリの歌劇場での『カルメン』や『椿姫』、ボローニャ・テアトロ・マンゾーニでの『マタイ受難曲』は忘れられない思い出です。
彼は努力を続け、スペインはバレンシアの劇場でドミンゴ主催のアカデミーに所属しながら才能をどんどん開花させ、2015年にはオペラの殿堂スカラ座で『ラ・ボエーム』のショナール役でデビューを果たしました。このスカラ座の公演だけはどうしても観たくて日本から応援に駆け付けました。といった感じで…彼とは以前も今も、変わらず他愛の無い連絡を取り合う仲です。

リサイタルの伴奏は、同じくボローニャ歌劇場付属オペラ研修所時代の同僚、現在新国立劇場オペラ研修所コレペティトゥアの岩渕慶子さんにお願いしました。

オリヴィエーリ氏の『ファルスタッフ』最終公演が12月15日だった為、それからの打合せや伴奏合わせとなりました。疲労が残っていたであろうにも関わらず、一切手を抜かず練習に励む彼の姿には本当に感動しました。

本場イタリアの第一線で活躍する彼の声を是非、名古屋の学生達と故郷高岡の皆さんに届けたく随分と張り切ったプログラムになりましたが、皆様に喜んでいただけて本当に嬉しく思っております。

また、高岡公演では高岡市民芸術振興事業団や、私の後援会の皆さんに公演前からいろいろとお世話になり本当に感謝申し上げます。オリヴィエーリ氏も熱烈に歓迎いただき、感動していました!後援会の皆様には、公演前には高岡の美味しいお魚でおもてなしいただき、また公演後には打上げを兼ねた後援会の集いを催していただきました。オリヴィエーリ氏が、皆さんから写真を求められている姿も嬉しい瞬間でした。

打上げの席でもお話をさせていただきましたが、私がヨーロッパで得た劇場での経験やキャリアというのは、実は些細なことで、本当に得た大切な宝物は、向こうで得られた同僚や友人だと思っています。今回、親友マッティア・オリヴィエ―リの歌声と人柄を、皆さまに紹介できたのは私にとって大きな大きな喜びでした!

初めてのリサイタル。反省点も多いですが、新年への肥やしとなるポジティブな経験となりました。2019年も精進して参ります。皆様、引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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團伊玖磨作曲 なごや言葉によるオペラ【ちゃんちき】12月12日

この12月12日には、名古屋二期会本公演【ちゃんちき】に出演をさせていただきました。
名古屋のご当地言葉で紡がれるこのオペラは、東西ドイツが統一する以前、僕が所属していたドレスデン歌劇場でも上演されており、インターナショナルな成功を収めた作品としても知られてます。
私の役所は獺(カワウソ)の、かわ兵衛というもので、狐の親子から騙される間抜けな一面を持ち合わせながら、再び現れた狐の親父を逆に罠に貶めるというものでした。非常によく書かれていた台本で、演出家の岩田達宗マエストロは、ドラマをどんどんリアルに掘り下げる為のヒントを下さるので、次から次へとアイデアが湧き出てきました。音楽面ではずっと共演したかった田中祐子マエストラが岩田マエストロのドラマの理念を音楽面から本当に献身的なサポートをくださいました。両マエストロからは、本当に多くの刺激をいただき、おかげさまで自分自身の成長を実感できるプロダクションとなりました。共演者の皆さんが素晴らしかったことはもちろんですが、ダブルキャストの公演で、連日のお稽古にも関わらず、重要な役割を担う合唱の皆さんとオーケストラの皆さんの熱演に支えられて非常に質の高い公演になったと思います。
10月から英語で既に死んだ人間の役を、11月にはイタリア語で殺し屋役を、12月は名古屋弁でカワウソ役を…本当にオペラ歌手冥利に尽きる濃い時間を過ごさせていただきました。

今回の【ちゃんちき】は、舞台に立たせていただく者として、本当に充実した幸せな公演でした。同時に舞台人としての自分自身への教訓として、生涯忘れられない公演になったと思います。またカワウソ…やれたら嬉しいです。

ご来場いただいた皆さま、お世話になった皆さま、本当にありがとうございました!

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金沢歌劇座 ヴェルディ作曲オペラ『リゴレット』11月25日

 

ソラリスのお稽古の合間を縫ってお稽古に参加していたのが、11月25日に金沢歌劇座で上演されたオペラ【リゴレット】でした。
渡伊前は、ヴェルディ先生が大好きで大好きで頻繁に歌っていましたが、イタリアに渡りいろいろな方のアドバイスを参考にしてレパートリーの見直しをした結果、縁遠い作曲家となっておりましたが、幸運なことにヴェルディ先生の代表作にこの度、携われることになりました。
主人公リゴレットの愛娘ジルダの純潔を汚したマントヴァ侯爵の殺害を請け負う、刺客スパラフチーレを演じさせていただきましたが…最後は雇い主の娘ジルダを殺め…という、バス冥利に尽きる悪役で、楽しみながら?演じさせていただきました。
リゴレット役には、新国立劇場オペラ研修所の大先輩、青山貴さん。圧倒的な美声と表現力に、お稽古中から鳥肌が…。青山さんとの二重唱は緊張しましたが、幸せな時間でした。ヒロイン、ジルダ役には、憧れのソプラノ森麻季さん。何度か共演をさせていただいているのですが、毎回とても気さくに接してくださいます。歌唱は私が語るまでもなく、稽古場でも溜息が出るほど素晴らしいものでしたが、そんな麻季さんを殺めなくてはならないなんて…役とは言え、毎回切ない気持ちでおりました。

マントヴァ侯爵役のアレッサンドロ・バディア氏は昨年の全国共同制作オペラ【トスカ】で共演をしたテノールで、気心の知れた仲です。妹役マッダレーナには新国立劇場オペラ研修所の後輩、藤井麻美さん。素晴らしい歌声で、舞台でも臨機応変に動かれて大変知的な歌手です。
その他、ソリストの皆さんは地元の皆さんだったり、同世代だったり。稽古中は真面目に意見を交わしつつ、お稽古後は皆で食事に行ったりと本当に良い雰囲気とチームワークで取り組むことが出来ました。
初めてご一緒した指揮の鈴木織衛マエストロ、演出の三浦安浩マエストロ。両マエストロとオーケストラアンサンブル金沢の皆様に支えていただき、素晴らしい舞台に携わることが出来ました。また、この公演では、合唱の皆さんが本当に音楽面でも演出面でも大活躍をされ、舞台の成功は皆さんのご苦労があればこそだと思います。また、たくさんのボランティアの皆さんが舞台裏でスタッフとして参加されており、行き届いたサポートをいただきました。
多くの皆さんのご苦労の上で歌わせていただいている。そう噛みしめることの出来た素晴らしい舞台となりました。

お世話になった皆さま。ご来場いただいた皆さま。ありがとうございました!

 

 

 

 

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東京芸術劇場 藤倉大作曲 オペラ【ソラリス】(10月31日)

2018年も年の瀬。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
先日、人生初の自主企画によるリサイタルを名古屋と生まれ故郷高岡で行い、少し時間が出来たので、大掃除の合間に、この10月から出演したオペラ公演を振り返ってみようと思います。

10月31日に東京劇術劇場で上演された藤倉大マエストロ作曲 オペラ【ソラリス】日本初演。音楽的に非常に緻密で、当初、音程を取るのに手間取りましたが、実際に喉に入れて稽古に参加してみると、すぐに作品がドラマを重んじつつ、シーンを彩るオーケストラとの関係性も非常に立体的に書かれている素晴らしい作品であることが実感出来ました。稽古初日は藤倉マエストロ直々に棒を振られましたが、非常にフランクな方でした。しかしながら作品へのこだわりは細部に及び、私演じるギバリアンとオフステージ・ケルビンとの掛け合いのシーンは丁寧に時間を割いてくださいました。
共演者の皆も素晴らしい歌手たちで、初めてご一緒したハリー役の三宅理恵さんは、透明感のある素晴らしいソプラノで、ヒロイックな歌唱を披露したクリス役のサイモン・ベイリー氏はイタリア語も堪能で、ミラノでの師である故ボナルド・ジャイオッティ氏の話で盛り上がりました。

スナウト役のトム・ランドル氏はインテリジェンスに溢れ、稽古場で英語の発音も丁寧に指導してくださいました。今回のプロダクションで一番の若手歌手だったオフステージ・ケルビン役のロリー・マスグレイブ氏も素晴らしいバリトンで、人懐っこい性格で皆から愛されていました。佐藤紀雄マエストロ率いるアンサンブル・ノマドによるオーケストラに支えられ、本番では演奏会形式ではありましたが、オペラ【ソラリス】の素晴らしさと可能性をお客様に十分にお伝え出来たのではないかと思っております!
そして!音響デザインを担当された石丸耕一さんには、作品の世界観を表現するサポートをいただき、本当に助けていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに…この度のソラリス上演に際し、原作である小説「ソラリス」の帯に公演概要と共に写真で紹介いただきました!

オペラ【ソラリス】は、本当に様々な可能性を秘めた名作です!
再演の機会があれば、是非、多くの皆様に聴いて、観ていただけたらと思います。

この公演に際し、お世話になった皆様、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

お知らせ

初投稿!

皆様、

本ページをご覧いただき、ありがとうございます。
ホームページをリニューアルしたものの、自分から発信する機会をなかなか設けることができずにおりましたが…この初投稿を機に少しずつニュースや日々感じていることを綴っていけたらと思っております。

さて…私は現在、なごや言葉によるオペラ『ちゃんちき』(2018年12月12日、13日)に出演するべく稽古に参加しながら、自身初のリサイタルの準備に追われる毎日を過ごしております。
名古屋二期会公演『ちゃんちき』では、獺(カワウソ)のかわ兵衛役で出演いたしますが…これが大変面白く、難しい役どころです。指揮の田中祐子マエストラ、演出の岩田達宗マエストロ、そして素晴らしい共演者と、充実した稽古を重ねております。濃いドラマと團先生の音楽をお届けできるかと思います。是非ともご来場ください!

同時進行で準備を進めている『森雅史 バス・リサイタル』(名古屋公演12月18日、高岡公演12月22日)ですが、この公演は、昨日初日を迎えた新国立劇場『ファルスタッフ』にフォード役で出演しているマッティ-ア・オリヴィエ-リ氏に友情出演をいただきます。ボローニャ歌劇場付属オペラ研修所(La Scuola dell’Opera)同期のオリヴィエ―リ氏とは苦楽を共にした仲で、彼の初来日に際し、一緒に歌おう!ということになりました。伴奏は、同じく同研修所同期のコレペティトゥア岩渕慶子さんにお願いいたしました。

随分と渋いプログラムになってしまいましたが、年明けにはミラノ・スカラ座でロッシ-ニ作曲『ラ・チェネレントラ』にダンディ-ニ役で出演の決まっている、これからのイタリアオペラ界の一翼を担うオリヴィエ-リ氏の歌声を名古屋と高岡で聴ける貴重な機会です。『ちゃんちき』ともども、『森雅史 バス・リサイタル』名古屋公演・高岡公演をどうぞ、よろしくお願い申し上げます!