ソラリスのお稽古の合間を縫ってお稽古に参加していたのが、11月25日に金沢歌劇座で上演されたオペラ【リゴレット】でした。
渡伊前は、ヴェルディ先生が大好きで大好きで頻繁に歌っていましたが、イタリアに渡りいろいろな方のアドバイスを参考にしてレパートリーの見直しをした結果、縁遠い作曲家となっておりましたが、幸運なことにヴェルディ先生の代表作にこの度、携われることになりました。
主人公リゴレットの愛娘ジルダの純潔を汚したマントヴァ侯爵の殺害を請け負う、刺客スパラフチーレを演じさせていただきましたが…最後は雇い主の娘ジルダを殺め…という、バス冥利に尽きる悪役で、楽しみながら?演じさせていただきました。
リゴレット役には、新国立劇場オペラ研修所の大先輩、青山貴さん。圧倒的な美声と表現力に、お稽古中から鳥肌が…。青山さんとの二重唱は緊張しましたが、幸せな時間でした。ヒロイン、ジルダ役には、憧れのソプラノ森麻季さん。何度か共演をさせていただいているのですが、毎回とても気さくに接してくださいます。歌唱は私が語るまでもなく、稽古場でも溜息が出るほど素晴らしいものでしたが、そんな麻季さんを殺めなくてはならないなんて…役とは言え、毎回切ない気持ちでおりました。

マントヴァ侯爵役のアレッサンドロ・バディア氏は昨年の全国共同制作オペラ【トスカ】で共演をしたテノールで、気心の知れた仲です。妹役マッダレーナには新国立劇場オペラ研修所の後輩、藤井麻美さん。素晴らしい歌声で、舞台でも臨機応変に動かれて大変知的な歌手です。
その他、ソリストの皆さんは地元の皆さんだったり、同世代だったり。稽古中は真面目に意見を交わしつつ、お稽古後は皆で食事に行ったりと本当に良い雰囲気とチームワークで取り組むことが出来ました。
初めてご一緒した指揮の鈴木織衛マエストロ、演出の三浦安浩マエストロ。両マエストロとオーケストラアンサンブル金沢の皆様に支えていただき、素晴らしい舞台に携わることが出来ました。また、この公演では、合唱の皆さんが本当に音楽面でも演出面でも大活躍をされ、舞台の成功は皆さんのご苦労があればこそだと思います。また、たくさんのボランティアの皆さんが舞台裏でスタッフとして参加されており、行き届いたサポートをいただきました。
多くの皆さんのご苦労の上で歌わせていただいている。そう噛みしめることの出来た素晴らしい舞台となりました。

お世話になった皆さま。ご来場いただいた皆さま。ありがとうございました!